リフォーム前に知っておきたいこと

日本の住宅とリフォームの変遷



昨今の世情や少子化により新築住宅の市場は縮小しています。

 

その代わりリフォーム市場は拡大傾向にあり、いろんな企業がリフォーム市場に参入しています。

 

リフォームやリノベーションなどいろんな言葉が生まれている今、まずリフォームの流れについて日本の住宅とリフォームの変遷をもとに紹介していきたいと思います。

 

 

日本の住宅とリフォームの変遷

リフォームの歴史

 

戦後の日本は、大量の住宅不足に陥いったため、国民が安心して住める「場所」をいち早く供給することが、最重要課題でした。

 

1970年代に入ると住宅戸数が世帯数を上回り、問題とされていた住宅不足は解消されました。

 

しかし大量供給を優先してきたため、質の悪い住宅も多く、新たな課題が発生しました。

 

それは住宅の「質」です。

 

住宅不足が解消されてからは、「量から質」・「安心から快適に住める家」の供給が重視されることとなり、そこで誕生したのがハウスメーカーでした。

 

ハウスメーカーにより機能・品質に優れたプレハブ住宅が作られるようになり、また高層マンションも建設されるようになりました。

 

Kiyo
マイホーム・憧れの庭付き一戸建てブームの到来がこのころですね。

 

住宅も普及すると、今度は維持していくためにメンテナンスが必要となってきます。

 

この頃は、まだリフォームの概念はなく、あくまで修繕という形式でした。

 

その後、1983年日本増改築産業業界(現:日本住宅リフォーム産業協会)。1984年日本住宅リフォーム相談センター(現:住宅リフォーム・紛争処理支援センター)が設立され、リフォームの基盤が少しずつ整備されていきます。



第1次リフォームブーム

劇的ビフォーアフター
(出典:大改造!!劇的ビフォーアフター

 

リフォームが茶の間に浸透したのは、2002年から放送された劇的ビフォーアフターのおかげではないでしょうか。

リフォーム需要が増えた一方、2005年ごろから悪徳リフォームが世間を騒がすようになりました。

 

といのも500万未満の工事は建設業許可がいらないので、専門知識を持っていなくても簡単に工事を請け負うことができるためです。

 

建設業法 第3条 建設業許可

建設業の許可

ア 建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業法第3条の 規定に基づき、建設業の許可を受けなければなりません。

「軽微な建設工事」とは、工事1件の請負代金の額が建築一式工事以外の建設工事の場合に あっては、 500万円未満、建築一式工事にあっては 1500万円未満又は延べ面積が 150 m2未満の木造住宅の工事をいいます。

 

この当時はまだリフォーム専門店はなく、町の工務店や水道屋さんがリペア修理の延長でリフォームを請け負っていました。

 

改装に慣れておらず知識も経験も不足しているため、仕上がりが悪いことも多かったとよく聞きます。

 

お客様のご自宅に行くと、この当時のエピソードを聞くことがしばしばあります。

 

◯才女性

頼んだものと違うものが設置された。

 

◯才男性

仕上がりが悪いからやり直すよう言うけど、こんなもんですと言われやり直してくれなかった。

 

リフォームの難しいところは、工事が完成しないと実物を見ることができないとこです。

 

だからこそ、リフォーム会社選びは本当に大切なんです。



第2次リフォームブーム

「人口減少」・「少子高齢化」・「増税」・「不景気」などで新築需要は、近年減少傾向にあります。

 

そんな中、注目されているのが、リフォームです。

 

近年、新築の価格高騰により、良い立地で良い家を建てるのは本当に難しいです。

 

しかし中古物件なら、もともと駅近など立地の良い場所にあることが多いので、リフォームすれば新築よりも安く便利で快適に暮らせます。

 

中古物件をリフォームするメリット

中古物件をリフォームするデメリット

・駅近物件を新築よりも安く入手できる。
・好きな間取りに変更できる。
・自分の好きなデザインにすることができる。
・築年数が経っているので、管理費・修繕費が高くなっている。
・全面改装をしない場合、配管の老朽化対策が必要。

 

簡単に商品が売れなくなった今、第一ブームのように多くの会社がリフォーム市場に参入しています。

 

「ハウスメーカー」・「工務店」・「家電量販店」・「家具屋」・「建築家」・「ホームセンター」・「不動産」など、たくさんあります。



今後のリフォーム市場

日本は2015年をピークに人口が減少しており、少子高齢化が問題となっています。

 

イローンマスクが出生率が人口減少より下回っている日本はいずれ消滅すると発言しニュースになっていましたね。

 

人口減少により空家増加も問題になっています。

 

空家が増えると治安が悪くなったり行政サービスも低下したりデメリットが多いため、国も中古住宅の流通を活性化させようとしています。

 

そこで注目されているのがリフォーム市場です。

 

最近では、民家をリフォームしてサブスクで格安で泊まれるようなサービスを提供していますね。

 

リフォームして付加価値をつけ、中古物件が流通するような仕組みが、今後いろいろ出てくると思います。

 

ちなみに欧米諸国では、既存住宅の流通は7割〜9割と言われています。

 

なぜ日本では、こんなにも既存住宅が流通しないのでしょうか?

 

そこにはいろいろ改善しなければならない問題が山積みだからです。

 

中古住宅が流通しない理由

  • 既存住宅の資産価値が低い。
  • 高齢者が安心して住める住宅ではない。
    (バリアフリーになっていない。エレベーターがない。廊下の幅が狭いなど)
  • 旧建築基準法で建てているため、耐震に弱くリフォーム費用が高くつく。

 

中古物件の流通を活性化させるための課題

  • 質の高い新築住宅(長期優良住宅)の流通。
  • 良質な住宅のストックを増やす。
  • 消費者が安心してリフォームできる市場の整備。
  • 高齢者が安心して住める家を増やす。(バリアフリー対応住宅)
  • リバースモゲージの拡充。

 

上記課題を少しずつ改善し、質の高い新築住宅を流通させる。

 

そうすることで、中古物件の資産価値の低下も防げ、インフィルリフォームがメインになってくるでしょう!

 

インフィルリフォームとは?

構造体はそのままで、内部の間仕切り・設備・内装をリフォームしていくという考え方です。

簡単に言うと、マンションのスケルトンリフォームがこれに当たります。



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