塀にはいろんな役割があります。
敷地を区切る。車などの騒音から守る。防犯対策。緑化。町のデザイン。など、その役割は多岐にわたります。
塀には色々な種類がありますが、ブロック塀は、質が高く施工が簡易で費用も抑えられることから、昔も今も変わらず多くの場所で用いられています。
しかし地震大国である日本では、近年老朽化したブロック塀の事故が多発しています。
この記事を読めば・・・
- ブロック塀の改修のタイミングがわかる。
- ブロック塀の正しい作り方がわかる。
- ブロック塀の老朽化の見極め方がわかる。
- 最近の塀のトレンドがわかる。
これから新築を建てる方やリフォームで塀をやり変える方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
ブロック塀について
建築基準法施行令 第62条の8
補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ1.2メートル以下の塀にあっては、第5号及び第7号を除く。)に定めるところによらなければならない。
ただし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においてはこの限りでない。
- 高さは、2.2メートル以下とすること。
- 壁の厚さは、15センチメートル(高さ2メートル以下の塀にあっては、10センチメートル)以上とすること。
- 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径9ミリメートル以上の鉄筋を配置すること。
- 壁内には、径9ミリメートル以上の鉄筋を縦横に80センチメートル以下の間隔で配置すること。
- 長さ3.4メートル以下ごとに、径9ミリメートル以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの5分の1以上突出したものを設けること。
- 第3号及び第4号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあっては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあってはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の40倍以上基礎に定着させる場合にあっては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
- 基礎の丈は、35センチメートル以上とし、根入れの深さは30センチメートル以上とすること。
ブロック塀による事故
近年、多発する地震により、各地でブロック塀が倒壊し被害が発生しています。
直近では、北部地震により小学校のブロック塀が倒壊し、登校中の女児がブロック塀の下敷きになるという痛ましい事故が起きました。
のちの調査で、このブロック塀は建築基準法に違反していたことがわかっています。
このように違反しているけど改善されていないブロック塀は、まだまだ街中にたくさんあります。
北部地震で起きたこの事件以降、自治体は通学路などに危険なブロック塀がないか点検しています。
そして危ないと判断された場所は、フェンスに変えたり、控え壁を作ったり少しずつ改善されつつあります。
(出典:日本経済新聞)
ブロック塀老朽化の見極め
先日、ブロック塀改修の依頼を頂きました。
依頼を頂いた理由は、亀裂が入っていて、地震で倒壊するのではないかと心配されたからです。
ここではブロック塀を交換する目安となる基準を紹介していきます。
老朽化チェックリスト
- 塀が高くないか。
- ひび割れしていないか。
- 塀が傾いていないか。
- 塀に欠けや穴が空いていないか。
- 地盤が軟弱じゃないか。
- 控え壁があるか。(塀の高さが1.2mを超えると必要。CB6段ぐらい。)
- 表面に鉄筋のサビが出てないか。
- 塗装のめくれがないか。
参考
2018年には、国土交通省がブロック塀の点検のチェックリスト公示しました。
チェックリストは、詳しくはこちらをご覧下さい。
昔のブロック塀の作り方
ブロック塀は、組積造といわれ、昔多用されていた構法です。
組積造のブロック塀は工期を短縮できコストも抑えられることから、マンションの間仕切壁や住宅の外塀などによく用いられていました。
しかし月日が経つと、もろく危険な点もあります。下の写真をご覧ください。
更地になっているとこがあったので見てみると、ブロックを支える基礎が何もなくただ積んでいるだけの状態です。
このようなブロック塀は、地震により倒壊するリスクが非常に高いです。
もし自宅の外塀が、昔作られたブロック塀であれば要注意です。
現在のブロック塀の作り方
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1基礎を作り鉄筋を仕込みます。
(出典:全国建築コンクリートブロック工業会HP)
土の中に隠れる基礎・ブロックの厚み・ブロック内に仕込む鉄筋はブロックの高さにより変わってきます。
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2ブロック中にもコンクリートを流し込む。
ブロック内にコンクリートを流し込んで、強度を高めます。
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3砕石を敷き詰め地業。
土間を打つ前に、砂・砕石をまき、地業を行います。
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4土間打ちして完了。
(出典:伊丹市ホームページ)
仕様によっては、控え壁を作ったりする必要もあります。
外構を依頼する上での注意点
外構を依頼する時は、「どんな施工方法なのか?」「建築基準法をクリアしているのか?」などしっかり確認しましょう!
最近の塀|Ground Art Wall|グランドアートウォール
有吉ゼミでヒロミがキャンプ場の塀を作る際に、珍しい材料を使っていました。
それがこちら。
Ground Art Wall|グランドアートウォールです。
グランドアートウォール特徴
- 特殊発泡素材で加工が簡単。
- コンクリートブロック塀の約1/10の軽さ。
- ブロック塀より倒壊時の危険性が少ない。
- 弾性に優れた素材のため、台風などの強風でも倒れにくい。
(出典:Ground Art Wall)
特殊発泡素材を採用し、軽くて丈夫なため高さのある塀をつくることができる上、加工が簡単なので曲線の塀や小窓をつけたりと自由なデザインにすることができます。