使ってる量がそんなに変わってないのに、数千円も上がってたんです!
皆さん、なぜ電気代が上げってるかを知らないんですよね!
最近ニュースでも、電気代高騰に関するものがすごく増えてきましたね。
YahooニュースやTwitterでも、電気代がすごく上がって、頭を抱えている人の記事が多数見受けられます。
問い合わせがあったお客様と話していても、なぜ電気代が上がっているのかを知らない人がほとんどです。
電気代の高騰はなぜ起きてしまうのか?また電気代高騰への対策は何をしたらいいのか本記事で紹介していきます。
この記事を読めば・・・
- 電気代がなぜ上がっているのかわかる。
- 電気代を抑える方法がわかる。
電気代の高騰に頭を抱えている方。電気代の高騰への対策を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも電気代の内訳はどうなっている?
電気料金は、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下、再エネ賦課金)で構成されています。
それぞれの料金について以下に説明していきます。
基本料金
基本料金とは、契約容量によって決まる固定料金のことです。
電力会社の場合は、主に設備費・人件費など電気の安定供給のためにかかる費用をカバーする目的で請求されます。
基本料金は、電気を全く使わなくても発生する料金であり、電気を使った量に関わらず一定の額が請求されます。
基本料金の決定方法は大きく分けて3種類あります。
①ブレーカーの容量に応じて基本料金が決まる方法。
基本料金は、通常、契約容量(アンペア数)ごとに定められた料金体系によって決まります。
10A、15A、20A、30A、40A、50A、60Aといったように段階的にアンペア数ごとに基本料金が決まっており、アンペア数が大きいほど基本料金が高くなります。
同時に多くの電化製品を使う世帯、家族の人数が多い世帯は多くのアンペア数が必要になる傾向があります。
②契約容量に関係なく基本料金が決まる方法。
関西電力などの電力会社の従量電灯プランなどでは「基本料金」が「最低料金」になります。
契約アンペアに関係なく1契約あたりの最低料金が決められており、その中には一定の電気使用量の料金が含まれます。
最低料金に含まれる電力量を超えた使用分の電力量料金は上乗せして支払います。
③電気の使用実績にもとづいて基本料金が決まる。
基本料金の算定根拠となる契約電力を、メーターで計量した過去1年間の最大需要電力により決定します。
主にオール電化用のプランなどに採用していることが多く、ピーク時の最大電力を基準にするので、電化製品の使い方を工夫すれば、電気代の節約にもつながります。
電力量料金
電力量料金とは、電力を使った分だけ料金が増える従量式の料金です。
電力量料金は、電力会社の定めた1kWhごとの単価である電力量料金単価に、1ヵ月の消費電気量を乗じた額から、燃料費調整額を加算減算して計算します。
電力量料金の計算方法をまとめると「電力量料金=(電力量料金単価±燃料費調整単価)x1ヵ月の電気使用量」となります。
大手電力会社の場合は、電気使用量により3つの電力量料金単価を設定していることが多く、電気使用量が多いほど、電力量料金単価が高くなります。
燃料費調整額
原油・液化天然ガス(LNG)・石炭など電気を作るための燃料の価格は、市場や為替など外部要因によって変動します。
この燃料費変動に応じて電気料金を調整するのが燃料費調整額です。
燃料費調整額は、各月の燃料費調整単価に使用電力量を乗じて算定します。
燃料価格が上昇した場合は燃料費調整額を加算し、燃料価格が低下した場合は燃料費調整額を差し引き電気料金を算定します。
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
再エネ賦課金は、平成24年7月に開始した再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度とともに導入された料金です。
固定価格買い取り制度とは、太陽光、風力、地熱、水力などの再生可能エネルギーによる発電を普及させる目的で、電力会社等が一定期間・固定価格で再生可能エネルギーを買い取ることを義務付けたものです。
電力会社が再生可能エネルギーの買い取りにかかった費用の一部を、再エネ賦課金として消費者が負担しています。
再エネ賦課金によりコストの高い再生可能エネルギーを導入しやすくなり、普及が進む効果が期待できます。
再エネ賦課金は、経済産業大臣によって毎年度定められた再生可能エネルギー発電促進賦課金単価に1ヵ月の電気使用量を乗じて計算します。
まとめ
- 電気料金は、4つから成り立っている。
(基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金)
電気代が高騰した理由
電気代の高騰は、社会情勢・供給力の問題・料金制度など新電力に限らずさまざまな要因が重なって起きています。
電気代が高騰した理由には、以下のようなものがあります。
燃料の輸入価格の上昇
電気代高騰の理由として、世界情勢による燃料費の上昇が考えられます。
燃料費が上がった要因は、主に3つあります。
①新型コロナウィルスの影響
②脱炭素社会実現の影響
③ロシア軍のウクライナ侵攻と世界情勢の影響
原子力発電所の廃炉費負担
2011年東日本大震災で福島第一原発事故がありました。
本来、原発事故を起こした東京電力及びその他の原発事業者が負担すべき賠償負担金2.4兆円と廃炉費4740億円を消費者負担として託送料金に上乗せすることを経産省が決めました。負担対象となるのは、新電力事業者及び消費者です。
託送料金とは?
託送料金は、送配電事業者が電力の小売事業者から徴収する料金のことです。
値上げ幅は標準的な家庭で、東京電力が36円・中部電力が109円・北陸電力が269円・関西電力が93円・九州電力が250円です。
消費税の増税
電気代には消費税がかかるため、消費税が増税すると電気代も上がります。
電気代の明細書は、基本料金・電力量料金・再エネ賦課金すべて税込み価格で記載されています。
2019年10月に消費税が8%から10%に上がったのに伴い、電気料金の支払い額も2%増えた形になります。
再エネ賦課金の値上げ
2020年度は「1kWhあたり2.98円」であったのに対し、2021年度は「1kWhあたり3.36円」に値上がりしています。
再エネ賦課金は導入時の2012年の「1kWhあたり0.22円」に比べすでに大幅に値上げされていますが、再エネ賦課金は次年度以降も上がります。
エネルギーマネジメント総研によると、再エネ賦課金は2030年にピークとなり、「1kWhあたり5.22円」が加算される見通しです。
2021年の時点で電力量料金に10%以上上乗せされる計算になりますが、2030年には電力量料金に20%近く上乗せされることになり負担が大きくなります。
まとめ
- 電気代が上がった要因は、4つ。
(①燃料費の高騰②廃炉費の負担③増税④再エネ賦課金の値上げ) - 電気代は、今後も高騰していくのが確定している。
電気代高騰の影響を受けている契約
上記で紹介した通り、電気代は様々な要因により上昇傾向にあります。
しかし、その上昇度合いは契約している電力会社やプランにより大きな差があります。
どんな契約が電気代高騰の影響を受けやすいのか、次に説明していきます。
市場連動型プランが特に高騰
電気料金は全体的に上昇傾向にありますが、特に電気代高騰の影響を受けているのが市場連動型プランです。
市場連動型プランとは、電気の市場価格に連動して電力量料金単価が変わる料金体系のことです。
市場連動型プランのメリット
市場連動型プランのメリットは、市場価格が安いときであれば電気代が安く済むことです。
電気の市場価格は常に変動しています。
1年の中での変動としては、冷暖房による電気需要の高い夏と冬には市場価格が上がり、冷暖房による電気需要の少ない春と秋に市場価格が下がる傾向があります。
1日の中での変動としては、電気の需要の高い日中は電気代が高値となり、逆に電気の需要が少ない深夜帯は電気代が安くなります。
主に夜間帯に電気を使う場合は、市場連動型プランを使うと大手電気会社より割安に電気を使えることがあります。
蓄電池を利用しての電気代の節約も可能です。
市場連動型プランのデメリット
市場連動型プランのデメリットは、市場価格高騰の影響を受けるリスクがあることです。
市場連動型プランの電力量料金単価は、JEPX(日本卸電力取引所)の市場価格に基づいて決まります。
この市場価格が高騰すると、電気料金にダイレクトに反映されます。
また電気使用量単価が一定ではないため、毎月の電気料金の見通しが立て難いこともデメリットといえます。
電気をあまり使っていないのに、月の出費が予想外に増えて家計を圧迫してしまったということも起こり得ます。
まとめ
- 世情の影響を受けやすい市場連動型プランを避け固定料金プランを選ぼう。
電気代の高騰はいつまでつづく?
電気代の高騰は、まだしばらく続きます。
といのも再エネ賦課金などは、今後も上昇するのが確定しているからです。
以下にそのあたりのことを説明していきます。
2030年まで再エネ賦課金が増加
再エネ賦課金単価は、2012年には「1kWhあたり0.22円」であったのが年々上昇を続け、2021年には「1kWhあたり3.36円」になっています。
この10年ですでに大幅な負担増となっている再エネ賦課金ですが、少なくとも2030年までは増加し続けます。
2050年までに脱炭素社会の実現
日本は2050年までのカーボンニュートラル実現を表明しています。
2050年のカーボンニュートラルを達成するためには、再生可能エネルギーの大量導入が必要で、当初の見立てより設備投資に費用がかかる場合は2030年以降も再エネ賦課金が上昇するおそれがあります。
カーボンニュートラルとは?
カーボンニュートラルとは、排出分と同量の温室効果ガスを除去および吸収することで温室効果ガスの排出をトータルで0にすることです。
値上げをカバーするためにするべきこと
電気料金の値上がりは、今後も続くと考えられます。
値上げをカバーするためには、どのような方法があるのでしょうか。
以下に解説します。
電気の利用状況を把握する。
まず電気の利用状況・ライフスタイルを把握し、節約できるところがないかをチェックしていきます。
電気の使い方を意識するだけで、日常生活の中で電気代を節約することが可能です。
例えば、電気をこまめに消したり、エアコンを長時間使わないようにするなど…
電気の契約を変える
節電しても電気料金が安くならない場合は、契約プランの変更もしくは電力会社の見直しを検討しましょう。
最近は、いろんな会社が参入してるので、自分にあった電力会社を選ぶことができます。
ソフトバンク・au・大阪ガス・関西電力・楽天でんきなどいろいろありますね。
太陽光パネル・蓄電池の設置
東京では2015年以降に新築される住宅に、太陽光パネルの設置が義務化されましたね。
電気を電力会社から買えば買うほど高くなってしまうので、今はいかに電気を買わないかが鍵になります。
そこで注目されているのが、太陽光パネルと蓄電池の設置になります。
詳しくはこちら👇でご覧ください。
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卒FITを迎える方へ | 太陽光発電・蓄電池
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まとめ
- 現状のライフスタイルを把握する。
- 電力プランを見直す。
- 電力会社を見直す。
- 太陽光パネル・蓄電池の検討。
まとめ
ここまで電気代高騰の要因・電気代高騰への対策・電気代高騰の影響を受けにくい電力プランの選び方などについて紹介してきました。
燃料費の上昇・再エネ賦課金の増加により、電気代は高騰しており、今後も引き続き電気代は高くなっていくと考えられます。
電気代が大幅に増えるのを避けるためには、市場連動型のプランを避け固定料金のプランを選びましょう。
電力自由化によって、消費者は従来よりあった大手電力会社だけでなく、新規参入した新電力を選択できるようになりました。
消費者は経済的なメリットを享受できる場面が増えた一方で、選択によっては思わぬ損失をこうむることもあるので注意が必要です。