太陽光・蓄電池リフォーム

住宅用太陽光発電システムに起因した住宅火災



2019年消費者庁は、太陽光パネルが原因で発生する火事についての報告書を発表しました。

そんなことを聞くと、太陽光パネルの設置を検討している人は、不安に感じるかもしれません。

しかし、ちゃんとした知識があれば、業者選びに失敗することもなく、火災事故にあう可能性は低くなります。

 

では太陽光パネルが原因で発生する火事は、どのようにして起こるのでしょうか。

消防庁が公表した火災事例をもとに、原因と対策について紹介していきます。

 

この記事を読めば・・・

  • 太陽光発電が原因で起きた火災についてわかる。
  • 業者選びの注意点がわかる。
  • 火災リスクを減らす事ができる。

 

太陽光パネルの設置を検討している人は、ぜひ参考にして頂けたらと思います。

 



太陽光発電の火災事故について

2019年消費者庁は、太陽光パネルが原因で発生する火事についての報告書を発表しました。

報告書内で、火災の主な原因を2つ挙げています。

1つ目は、太陽光パネルが原因によるもの製品不良による太陽光パネルの焼損。

2つ目は、ケーブルが原因によるもの施工不良によってケーブルが発熱し出火。

住宅用太陽光発電の火災を防ぐために、この2つの原因について詳しく説明していきます。

 

太陽光発電パネルの火事は「特定の施工方法」で屋根にうつる

消防庁の報告書では、「鋼板等なし型」という設置形態の太陽光発電を問題視しています。

 

太陽光パネルの主な設置方法は、4つあります。

1つ目は、屋根置き型です。

瓦やスレート、金属などの屋根材の上に架台を設置し、パネルを固定しています。

2つ目は、鋼板など敷設型です。

屋根材にパネルが組み込まれていたり、屋根の全面にパネルが固定されていたりするタイプです。

パネルの下にはルーフィングと呼ばれる防水材が設置されており、ルーフィングの表面に鋼板などの不燃材料を敷設します。

3つ目は、鋼板など付帯型です。

ルーフィングの上にパネルを直接取り付けています。

パネルの裏面には、鋼板などの不燃材料が付いています。

4つ目は、鋼板等なし型です。

ルーフィングの上に直接パネルを取り付けていますが、パネル裏面には鋼板などの不燃材料は付いていません。

問題視されているのは、この鋼板等なし型で、屋根材一体型の一部に見られる設置方法です。

 

とはいえ、鋼板等なし型でもすべてのパネルで火事が起きるわけではありません。

住宅用太陽光パネル全体で見ると、設置の割合はわずか4.5%ほどです。

その中でも、実際に火災が起きたのは過去の一定期間に製造された製品であることがわかっています。

 

施工不良及び配線不良などの火事はどう防ぐ

ケーブルが原因で起きる火災は、施工不良及び配線不良・それ以外の理由に分かれます。

施工不良及び配線不良は、ケーブル接続が「電気設備に関する技術基準を定める法令」を無視した中間接続や延長接続などが見られたといいます。

注意したい施工会社には、2つの特徴があります。

  1. 激安価格で契約をする代わりに、工事費用を下げて適当な工事を行う。
  2. 人件費を削るため無資格者やアルバイトに施工をさせている。
Kiyo
あまりにも安い価格で施工を請け負う業者には、十分注意しましょう。

 

それ以外の火災原因は、コネクターが緩んで発熱が起きてしまった、ケーブルを小動物に噛まれたためショートし、火花が起きて発火につながってしまったなどの事例があります。

これらのリスクを防ぐには、見積を取る際に安全面についてしっかり聞いておくことがいいでしょう。

納得のいく答えを得られない場合は、その業者は避けた方が良いでしょう。



太陽光発電が原因となった火災事例と注意点

ここでは太陽光発電システムが原因で起きた火事事例と注意点を紹介していきます。

 

配線不良が原因となった火災

屋根に後付けした太陽光パネルから出火した事例では、ケーブルの施工不良で、パネル1枚が焼損しました。

パネル裏の隙間には余剰配線がまとめて押し込まれており、枯れ葉や枝がたまっていました。

配線には、発熱によって溶けた痕も認められています。

この事例は、無理にまとめた余剰配線から出火し、枯れ葉や枝に引火したことが原因だと考えられます。

配線処理が適切になされていれば、火災は防げてた可能性が高いです。

 

配線端部の処理方法が原因となった火災

太陽光発電システム設置工事中に起きた火事事例もあります。

作業を終える際、配線端部をビニルテープで巻いて屋根の上に放置しました。

その後、雨で配線が濡れ、晴れて電流が発生したことで、配線端部から出火したと考えられています。

配線端部に雨水が入り込むと、端部両極の絶縁(電気の伝導を断ち切ること)は悪くなります。

この火災は、防水対策がしっかりされていれば、防げた可能性が非常に高いといえます。

さらに施工者は、+端子と-端子を一緒にして巻いていました。

+端子同士、-端子同士でまとめていれば、火災のリスクはより低くなっていたでしょう。

Kiyo
設置して終わりではなく、品質保証やアフターサービスがしっかり設置業者を厳選しましょう。

 

太陽光パネルの裏に溜まったゴミが原因となった火災

ゴミによって太陽光パネルが焼損した事例もあります。

太陽光パネルから出火する3日前、居住者から販売店へ、太陽光発電のブレーカーが落ちる旨の連絡がありました。

販売員が確認したところ、配線の漏電や絶縁不良が見つかっています。

ひとまずパネルとの接続を遮断したものの、別のパネルから出火してしまいました。

焼損したパネルと屋根の間に枯れ葉や枝が溜まっており、小動物によって屋根上の配線をかじられたこともわかっています。

今回の事例は、定期的なメンテナンスやパネル裏の掃除によって防ぐことができます。

居住者がパネルの掃除をするのは難しいので、施工業者への依頼を検討しましょう。

パネル裏の隙間を埋めてゴミや小動物が入るのを防ぐといった施工時の工夫も重要です。



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